低熱価型スパークプラグって
整備技術
プラグの「熱価」って妙に紛らわしくないですかね (◎_◎;)

低熱価型スパークプラグって

先日、お客様といろいろ確認、相談をしておりました。
キャブ調整を詰めてだいぶ快調になったものの、一方でスパークプラグがススで真っ黒でキモチ悪いっすよね。。。といった内容。

いえいえ、本来プラグが真っ黒なのは正常な状態ではないことは承知の助でござりまする (;^_^A
諸般の事情でこーなってしまっていることから今回の話はスタートです。
「そもそもだな~」という諸兄のツッコミは今回は抜きでお願いします ('◇')ゞ

DE、ですね、
スパークプラグの熱価を変えてみましょうという話になりました。
DEさんは一つ低熱価型に下げてみるのが良いかとの提案。するとお客様からは「今、9番ですから10番?それとも8番?と言う事でしょうか?」とのお返事あり。
そして、この問いへの店主の回答「今、8番ですから7番にしましょう。」と。
すると、
「このプラグは【DPR8EA-9】ですから番手を下げると【DPR8EA-8】と思っていましたが、これは間違いで【DPR7EA-9】という事でしょうか?」
との核心を突いた質問が!

お客様ありがとうございます!これで今回のブログネタは決まりました(笑)

スパークプラグの「熱価」って一般の方には途方もなく紛らわしい話ですから、このご質問は至極当然なものとなりますね。

まず整理していきますね。
【DPR8EA-9】を例としますと、“8”という数字が熱価を示し“9”という数字は基準となるプラグギャップ(=電極の隙間)を指しています。このプラグのギャップは0.9mmでメーカー調整済という意味デス。

ここまでよろしいですか?

次に、「熱価」とは何ぞや?とのお話です。
今回の場合、ススで真っ黒という現象が前提としてあるワケです。ということは不完全燃焼でカーボンが発生し、かつ燃焼温度が低いためそのカーボンがプラグにへばりついたという現象となります。
ここでポイントとなりますのが、
■「不完全燃焼そのものでエンジンの調子が悪い」
 のか
■「不完全燃焼が発生しているものの、エンジン全体としてそんなに不調を感じない」
 というものなのか、であります。

エンジンの特性、用途、経年劣化など様々な理由からプラグは煤けているものの調子はマズマズなんだよね、という時にスパークプラグの熱価を調整してみましょうという話題になるワケです。
反対にカブって調子が悪いなぁ、なんて時にプラグの熱価調整で改善する部分は僅かなものなんですね。大元の混合気、シリンダー圧縮などを疑う方が先であると思った方がよいかと (◎_◎;)

本日の主食に入ります。。。
“低熱価型”とは、エンジン内が比較的低い温度でもプラグ自体の放熱性が低くて温度上昇が大きいスパークプラグをいいます。
反対に、
“高熱価型”とは、エンジン内が比較的高い温度でもプラグ自体の放熱性が高くて温度上昇が少ないスパークプラグをいうんですね。

DE、最も紛らわしいのが
■低熱価型=ホットタイプ  →放熱性が低い=温度上昇が大きい
■高熱価型=コールドタイプ →放熱性が高い=温度上昇が少ない
なのですが、この時点で一回、頭の中が軽く裏返りますよね (◎_◎;)

この「用語(=ワード)」が一見反転した意味であるうえに、上記は同じ内容ということを説明せずにライターがワードを使うので読者が混乱してしまうんです。だから、
・プラグがカブっている時は低熱価型を使う というフレーズが
・プラグがカブっている時はホットタイプを使う と同じであることに気付けないワケです。

DEは、プラグの温度ってどうして大切なのでしょう?
そうです。スパークプラグには自己清浄温度ってものがありまして、450℃以上になるとカーボンが焼き切れてマフラーから外に排出されるのですね。
ですからエンジンの熱を溜めて素早く450℃以上に持って行けばプラグは真っ黒に煤けないという寸法です。
ところがですね、モノには限度というものがありまして、
温度が高ければ良いってモンじゃござんせん。950℃に達すると今度はノッキングを引き起こしエンジンに深刻なダメージを与えてしまいます。
ですから、標準より低熱価型のプラグでエンジンをブン回し続けるとプラグやピストンが溶け落ちてしまう危険があるのですね。
その意味でレーシングマシンに近いモデルでは高熱価型寄りにして放熱性を高める調整が為されているワケです。

では最後のコーナー⤴
プラグの熱価違いって、どの部分が違うのでしょう?ここがすぐ分かれば貴方様はマイスターです(笑)

プラグって下から覗くと、中心電極の周りにスキマがあるじゃないですか。このスキマの幅とかでなく、スキマ溝の深さの違いなんですよ。
中心電極→碍子→ボディへと逃げていく“熱の通り道の長さ”をこの溝の深さで調整しているワケなんです。
この溝をガスポケットと言うんですが、この容積が大きい(熱の通り道が長い)のが低熱価型(=放熱が悪い)、小さいのが高熱価型(放熱が良い)となるワケです。名前が“ガスポケット”なんで、「ここに熱が溜まる」と思いがちなんですが、熱を溜めているというより“逃がしにくくしている”という理解の方が正かな。


まとめます。
■調子の悪いエンジンに対してプラグの熱価変更は最終手段
 →「カブるから」と安易に熱価を下げるのは、熱がないのに解熱剤を飲むようなもの
■低熱価型プラグは連続した高負荷高回転運転に用いない
 →ノッキング(プレ・イグニッションなど)でエンジン壊します
■低回転トルク型エンジンには低熱価型、高回転出力型エンジンでは高熱価型
■間違いやすい、低熱価型=ホットタイプ・高熱価型=コールドタイプ のコトバ

これ、前から気になっていましてね。
いや、自分も昔ちょっと混乱してた側なんすよね (◎_◎;)
勘違いのまま愛車のピストンに穴を開ける前に、一緒に「最適解」を探しましょ ('◇')ゞ

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