整備
一生懸命に考えると抜群の知恵がでる?
V-maxレストア記 Vブースト編
今、V-max1200を仕入れて色々直しています。
2001年式のカナダ仕様。おそらく現存する中では最もフルパワーに近い車両です。
“2LT”という型式は、その昔、愛好家達には憧れの存在でした。
DEさんはその昔“1UT”という初期のレアU49(アメリカ)仕様に乗っておりましたが、その時でも2LTの存在感は印象的に勝っていましたね。
V-maxにおける真のフルパワー車は145psで、カナダ仕様2LTの1996年式が最後でした。
U49仕様2WEに至っては1989年式が最後です。
その後は143ps(~1996年2WE)、140ps(~2001年3月)と出力制限を受け、2003年式からは135psとなってしまっておりました。しかも2001年4月~2002年は逆輸入バージョン車は存在しません。
ですから、今、現役で走っている140ps仕様は非常に少ないと思われるワケです。
逆輸入車と国内仕様車の一番の違いはVブーストという機構です。
これにより40psもの差が生まれています。
このマシン、当然にVブーストが装着されています。そのVブーストECUを覗いてみますと接続カプラーの間に何やら後付けの変なハーネス、および青色と白色リード線が挿入してありました。
その先端の一方には変なスイッチ(ハンドル)に繋がっている。そしてもう一方の線はイグニッションコイルの一次コイル端子に直結してある。。。
なんじゃ、これー?
そう、これがVブーストの作動開始回転数を変えるイタズラ的装置なのでした。
Vブーストという装置は、6000回転でバルブが開き始め、8000回転でバルブ全開になります。そうなるとドッカンターボみたいな爆発的な異次元の加速が体感できます。あまりに急激にパワーが立ち上がるので不用意に回転を上げるとメチャクチャ恐いです...(オモシロイですけど)
ただし、ただでさえ馬鹿ヂカラなマシンを6000回転まで上げたら、日本では許されない速度に簡単に達します。これではVブーストの怪物的な加速を充分に味わえないと考えた人がいたのでしょう。でもフルタイムVブーストにするとマシンの調子が悪くなるし...と。
そこでVブーストの作動開始を3000回転に下げる回路を考え当てましたとさ。
Vブーストシステムを考えた技術者はマジ天才だと思っていますが、このイタズラ回路を考え出した人は悪知恵の働くことの天才だと思いました(笑)
DE、その作動原理です。
Vブーストは1気筒あたり6000回転を超えると作動しますが、VブーストECUで点火信号を拾ってそのパルスで作動の適否を判断しています。そこに別のイグニッションコイルの点火パルス信号を合流させる回路を設けて2気筒分の信号をECUに入れてやるのです。
そうすると3000回転の時にECUが6000回転だ!と錯覚してVブーストを作動させる仕掛けです。ですから4000回転で8000回転だ!と誤認してバルブ全開になります。
ねぇ、アタマ良いですよねぇ。。。
というワケで、
本来ノーマル主義のデモータですが、スピード違反をせずVブーストを楽しめそうな装置と判断致しまして、そのままスイッチを残すことにしました^^
V-maxの当時のキャッチコピーは『魔神』。魔神と書いて『マシン』と読みます。
このオートバイにイメージピッタリな当て字を考えたヒトもこれまた天才!
と思う今日この頃です。

ハンドルスイッチの上に美しくない後付けスイッチが付いています。
OFFだと6000回転(ノーマル)、ONだと3000回転でVブーストが作動開始します。