整備技術
お客様の感想から読み解くこと
渋滞でエンジンがとまっちゃう、再始動しない問題【解決編】
▼ キャブ調整中動画
※動画をご視聴の際は、音量にご注意ください。
「渋滞で止まる → 再始動しない原因と解決」DE、延々と苦労していた整備。。。
整備したキャブレターを車両に戻しパイロット調整等々を実施してから、オートバイをお客様にようやく戻せましたよ。
お時間を頂きすいませんでしたm(__)m
破綻していたアイドルスクリュー調整もパイロットスクリュー調整も完全復活です。
以下、さっそくお客様から試走の感想を頂けました。ありがとうございます。
「整備車両ですが、結論から言うと大丈夫そうです。今日は、日の出インターから圏央道に乗って関越道インターで降り、わざと車で混んでいる都内の路線でゴーストップを繰り返しながら帰宅しました。
まず高速道路では、前回までの「荒々しいと勘違い」していた急加速は、マルチエンジンらしい滑らかな感じに変わりました。この段階で大丈夫そうだなと思いました。
高速を降りてからも休憩を取らずに、渋滞、信号停止のゴーストップをしましたが、エンストになるような兆候は見られず、発進時のアクセルの煽りも少なくて済みました。
渋滞で無風の中、エンジン温度上昇時に若干アイドリングの小さな波が増えた気もしましたが、他の空冷、水冷のバイクでも渋滞の時にみられる程度でした。明らかな不安定さ、止まりそうな気配はありませんでした。
なにより、車に合わせた「2速半クラでの超徐行」が今日初めてこのオートバイで出来ましたので大丈夫だと思いました。」
これはもう手前味噌で恐縮ですが、整備として及第点に達した感があります。
お客様のコメントには技術的に重要なポイントが全部入っておりましたので。
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①「急加速が荒々しい → 滑らかになった」これは決定的な現象ではないかと。
《以前は》
燃料の供給不足+油面変動 → 燃調不安定(リーン⇔リッチ) → 突然トルクが出る → 「荒々しい」と感じる
《今回は》
→ 燃料供給が追従 → 燃焼安定 → トルクが連続的 → 「マルチらしい滑らかさ」
これは燃調が正常化、安定化した根拠となりえますね。
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②渋滞テストの内容が理想的でした
圏央道での巡行運転 → 高負荷連続運転(都内渋滞路線でのゴーストップ繰り返し)による熱溜まり状態を再現
これは、理論上ワタシが想定していた最悪条件となります。
→ それでエンスト兆候なし、アクセル煽り少ない状態で発進可(特筆すべきは2速半クラ超徐行が可能となった)
これらは症状再現性なしを現実にしたと言えるレベルに達したと言えるかと。
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③「熱くなるとアイドリングの小さな波が少し増える」
大型4気筒エンジンは空冷・水冷・油冷を問わず、渋滞・風当たりなし・温度上昇で混合気密度変化や燃焼波形が少し荒れる傾向があります。一般的なレベルかと。
しかし、「止まりそうな不安定さはない」→ これがとても重要でした。
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④「2速半クラでの超徐行が今日初めて出来た」今回、最も重要と感じました一文。
→ これは燃料の供給不足が完全に解消した根拠たり得ます。
内径6mmホース時は、半クラで微開度 → フロート室油面がじわじわ低下 → 燃調リーン寄り → エンスト予兆、が起きていたと思われます。
今回それが出ないということですね。
DE、技術的に総括しますと、
【今回の整備で解消したもの】
■フロート高さ誤差による油面高異常
■フロートバルブ摩耗による止水不良
■フロートピンポストへのフロート干渉・作動不良
■フロートバルブストレーナ詰まりによる燃料の供給不足
■加速ポンプの作動不良
■内径6mmホースが装着されていたことによる燃料の絶対他的な流量不足
■パイロットスクリューOリング劣化によるパイロット調整の破綻
■外部フィルター配置位置および燃料ホース配管取り回しの最適化
理論的に仮説を立てた上述要素が、結果として絡み合っていたことになると判断できますな。
いやはや、この仮説で抽出した課題を一つずつ潰しましたもん (◎_◎;)
結果、初期の症状が「再現しない」(今日の時点で、、、今日大丈夫なら次も大丈夫 (;^_^A)
何より今回、仮説理論と現実が一致したように思えますのでとても満足です。はい。
これがオートバイ整備のヤリ甲斐っちゅーヤツですか ('◇')ゞ
(ナンノコッチャ解らん!という方は前編をご覧くださいませ (◎_◎;))
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