走行後にニュートラルに入らなくなる現象の考察
雑ネタ技術
原因はクラッチプレートにあり?

走行後にニュートラルに入らなくなる現象の考察

腰痛です...
ちょっと良くなったからと日曜日に少し動いたら悪化しました...
咳をしても痛い。。。
今、デスクワークしかできません ( ノД`)シクシク…

今回はお客様から質問がありましたので、その考察を。
「中々ニュートラルに入らず大変です。結局、エンジンを切るとすぐにニュートラルに入る事が分かり、とりあえずはそれで対処しております。練習あるのみでしょうか?」

■まず、エンジンを切るとすぐにニュートラルに入る
■エンジン冷間時は簡単にニュートラルに入ることが確認できていた
ということでトランスミッションの異常ではないことが伺えます。
■150km程度走行し車体は完全に温まっていた時点でニュートラルに入りずらい
■油圧式クラッチである
という条件下です。

これは実に多くのオートバイで発生している現象だと思います。
しかも、新型でも旧車でもあまり関係なく発生します。
走行距離が進むにつれて、数万キロを超えてくると多くなる現象でもあります。

クルマやオートバイではトランスミッションに2本並列のシャフト(メインシャフト、カウンターシャフト)がありそれぞれに変速歯車が組付けられています。
そしてメインシャフト、カウンターシャフトの歯車が一つずつ1速用、2速用、3速用、4速用として常時一対で噛み合っています。
オートバイの場合、普段はメインシャフトとカウンターシャフト上のどちらかの歯車がシャフトの上を空回りしている状態です。
これをニュートラルと言います。
変速の度に歯車の噛み合わせが変わるのではなく、その変速に適合した一対の歯車が2本のシャフトにそれぞれドッキングすることで動力が伝わります。
反対のことを申しますと、ニュートラルに入れるということは
「メインシャフト、カウンターシャフト上のドッグ(連結器)を左右に滑らせてシャフトと歯車とのドッキングを解く」ことを言うのです。

「その変速にあった一対の歯車が2本のシャフトにドッキングする」状態では、その歯車にエンジンの動力が掛かっているワケで、二つの歯車には大きなチカラが掛かっています。同時にシャフトのドッキング部分の摩擦力も大きくなっています。
これはドッグ(連結器)がシャフト上を左右に動きずらくなっていることを意味しています。

「その常時噛み合いした一対の歯車が2本のシャフトにドッキングすることで動力が伝わる」ことを駆動力(トラクション)が掛かると言います。
そして、この駆動力を断続する装置がクラッチであります。

■駆動力が断絶しないとニュートラルには入らない
■駆動力はクラッチを切ることで断絶する
■よって、クラッチの切れ不良でニュートラルには入らない
という三段論法が導き出されることになります。

そーなんです。
ニュートラルに入りづらい現象はクラッチに原因があることがとても多いのです。
オートバイのクラッチは常にエンジンオイルに浸かっているため、10枚くらいのディスク型プレートを強力なバネで押し付けてその摩擦力を確保します。
クラッチプレートの枚数を多くすると接触表面積が大きくなるため、摩擦力が大きくなってオイルで滑ったりしなくなるのです。
そしてクラッチレバーを握るとそのバネが縮み、クラッチプレートの圧着が解けて駆動力が断絶されます。つまり各プレート間に0.5mm程度のスキマができるワケです。

ここでトップ画像をご覧頂きたく。これがクラッチプレートです。突起がありますね。
このプレートの外側あるいは内側にある突起が“縦の回転力”と“横のスベリ”によって段々と摩耗・変形していきます。
プレート自体の動きが悪くなって充分なスキマが確保されず「意図しない(ゆる~い)半クラッチ状態」が発生してしまうのです。

DE、エンジンオイルは走行によって100℃くらいになります。
当然それに浸かっているクラッチプレートも高温となって体積が膨張します。
そうなると各プレート間のスキマはより一層小さくなって「意図しない半クラッチ状態」が助長されてしまうという寸法でゴザイマス。

これを是正するのは少し大変でして、
クラッチレバーの遊び調整をしただけでは改善しないことが多いです。
特に油圧式クラッチでは遊びは自動調整されますので効果なしです。。。(ただし、クラッチフルードラインにエアが混入していないことは真っ先に確認すべきです。エア混入はクラッチの切れ不良に直結していますので)

最も効果的と思われる方法(トランスミッション自体に異常がない場合ですよ)は、クラッチプレートを新品に交換し、(ワイヤ式の場合は)併せてレリーズレバーも交換することですね (◎_◎;)
ただ、これは費用が高額になるだけでなく、多くの場合まだ使えるクラッチを交換することでもありますからモッタイナイ話となります。

そこで、人間が機械に合わせる作用が必要になります。
要は、歯車と歯車の間、歯車とシャフトの間の「駆動力」を瞬間的に断絶できれば良いワケです。
すると、やり方は3点
■アクセルを煽ってから全閉し、回転が下がる瞬間にニュートラル操作を行う
■薄い半クラッチ状態で回転を上げ、僅かにミッションを回転させることでニュートラルに入るタイミングを探す
 (飛び出し暴走には要注意)
■走行してオートバイが停止する直前(アクセル全閉)にクラッチを握りニュートラル操作を行う


オートバイに人間が合わせる!ああ、まるで生き物のようです ('◇')ゞ
まさに鉄の馬らしくて良いではないですか。ご自身の愛馬のクセを見抜いてやってくださいませ~
自己紹介
バイクガレージDEMOTAの店主です。 バイクの話を中心に、たまにバイク以外の話も書いていきます。 すべての話に「おみや」をご用意しています。是非読んでください。
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