奮戦!燃料オーバーフロー対策
商品整備技術
NSR250R(MC16)レストア記

奮戦!燃料オーバーフロー対策

NSR250Rレストア大詰め...
エンジンも無事に始動... 

よっしゃ!本日はここまで。

DE、翌朝の工場... ガソリン臭が充満してる...
NSRの足元床に巨大なシミ...

マジか!キャブからの燃料漏れ。。。正立だと平気なのに、サイドスタンドで車体が傾くと漏れる...
ホンダのサービスマニュアル(整備書)に従うとキャブレターのフロート(浮き)の高さ基準は13mmだったはず。キッチリ調整したはず。
でも現実にはオーバーフローしてる...

フロート室の油面が高くて、車体を傾けたときにオーバーフロー用のスタンドパイプ高さを燃料が超えて溢れ出したと推定。
キャブを良く知る方々は「実際の油面の高さをちゃんと確認しなきゃダメだろ?」って思ったハズです。

そーなんですよ。でもですね...
「このNSR250R初期型にはホンダ公式の油面高の基準値がない」いやいや、そんなハズあるかって話ですよ。たぶんホンダさんの内部資料にはちゃんとあると思うんです。
でも、サービスマニュアルにはその基準値について一切の「記載がない」のです (◎_◎;)
だからフロートの高さを調整する以外の確認方法がない。。。のです。。。

仕方ない。
フロートの高さを1mmだけ高くして実際の「油面高」を下げよう。ホントはしたくないんだけど...
※フロートを高くするとその分だけ燃料の止水弁が早く閉じるのでキャブ内部のガソリン量が減って燃料溜まりの喫水線が下がるのです。(画像参照)

キッチリ左右とも14mmに調整してキャブレターをオートバイに戻します。
すると...

今度は正立(傾けていない状態)なのに燃料が溢れ出しました (◎_◎;)
なんじゃコリャーと松田優作の様に叫んでみたところでオーバーフローは止まりません (;^_^A
いや、叫びましたけど。

もうワケワカメ。
またまた分解して再調整かぁ、とココロが折れかけましたけど辛抱強く再トライ!

ここでキャブ自体の取り外しについて。
■リヤカウル、シート、燃料タンク、バッテリー、フロントアンダーカウルを外します。
■エアクリーナーと燃料ホースとオイルチューブとドレンチューブを外します。
■キャブレターをエンジンから切り離します。
■アクセルワイヤ2本、チョークワイヤ、オイルポンプワイヤを外します。
これでキャブレターを摘出できます。

ちなみに、
ここまでの作業に熟練して1時間強、初めてだと4時間以上かかります (-_-;)
つまり、何度もやりたくないワケです。

もう失敗はイヤなんで、実際の油面高をよーく調べて調整することにします。
と、言いましても「これで大丈夫」っていう基準値が公にされていないんです。ナニを調べても、ドコを調べても解が出てきません。そうなると他車の一般的な基準を当てはめる以外ないと思いました。
しかし、
他のオートバイと言ってもですね、キャブレターの上下ボディの「合わせ面」に対して±2~3mmと幅があります。つまり上下限値で6mmもの差があります。
こりゃ、実際の油面高を測ってから考えるしかないな、と思い実際に計測してみました。

すると、
するとですね...
「ボディ合わせ面」に対して、1番キャブで+8mm、2番キャブで-7mmと相対差異が15mmもあったのですわ。もちろんフロートの高さはキッチリ両方14mmとしてありまして。。。

2度目の「なんじゃコリャー!」が炸裂。
そして調べました。フロートを。すると判ったのがフロートをブリッジしている金具が一般的な車種に比べて異様に軟らかいのです。
だから、少しでも歪みが出るとアッという間に調整が狂うという結論 (◎_◎;)
いよいよ、サービスマニュアルにあるフロートの高さ基準ではなくて実際の「油面」を揃えることに考え方をシフトしないとなりませぬ。

そこからは手探りの作業で正にトライアル&エラーを余儀なくされます。
下ボディに鋳込めたスタンドパイプの高さから想定して、ボディ合わせ面より油面が高いのはナシだろうと決めました。
DE、独自基準で「ボディ合わせ面-2~3mmの間」としましたよ。結局、マニュアルにない数字は現場で探すしかないんすね。
しかし、、、
イヤ~、、、フロートの方を0コンマ数ミリいじると実油面は数ミリ変動するという信じられないデリケートさなんですわ、コレ。。。

DE、ようやく揃えましたよ、左右の油面。独自基準内に、ですね⤴
単体テストでオーバーフローはありません。
次は、傾斜テストです。
サイドスタンドで駐車時の車体傾斜角を11度と計測しましたので、テストではキャブ単体に15度の傾斜をつけて実施して見ます。オーバーフローはありません。

ヨッシャー!合格!!!ということで、喜び勇んで車体に取付します。
取付手順は外す時の逆ですが、外すときより更に時間が掛かります。
なぜなら、ワイヤ類の遊びやら部品のクリアランスやらを一々調整しながら組み付けるからです。
(工賃に換算するとキャブの調整費用15千円に、取り外し取り付け工賃を最低30千円は頂かないと割に合わない大変さでしたわ。。。('◇')ゞ )

そして、
そしてですね。。。
無事に組み付けしたのち燃料コックをON!  30秒くらい経過した後からドバドバ燃料が漏れてきます (◎_◎;)

正真正銘の「なんじゃコリャー!」が炸裂⤵⤵⤵しましたとさ。。。
その瞬間はマジでココロが粉砕されました。
ここまでやって何故にこーなる?????????

次の瞬間、何かピカッと光りました。どっかーん!爆発しました。


...ウソです。

頭の中でヒラメキがありました。ピカッと。
DE、キャブのボディを車体に載せたままプラスチックハンマーで引っ叩きましたよ。
結果、オーバーフローが止まりました。そうなんです。引っ掛かっていた燃料の止水弁(フロートバルブ)が振動で動いてチャンと閉じたという寸法ですね。
初めて燃料を注入するとき、これ良くあるんです。でもって、一台ずつシコシコやるしかないんですわ。

良かったー 心身ともにマジで再起不能かと思いました(笑)
エンジンはキック3発で始動し、吹け上がりも軽い!アイドリングも非常に安定して尚ヨロシ⤴

本当は、この三連休でリリースしようかと思っていたのですが、この状態で市場には出せませんもんね。しつこく粘って粘って粘って良かったですわ。
めでたし、めでたし(笑)

残すは実車での傾斜テストのみです。傾けたまま数時間放置して漏れないなら大丈夫。
たぶん大丈夫でしょう ('◇')ゞ
たぶん...
2番キャブ
フロート高14mm調整ですが、油面が合わせ面よりずっと下⤵


1番キャブ
同じくフロート高14mm調整ですが、油面が合わせ面よりずっと上⤵


スタンドパイプです。
車体が傾いて、水位がこの棒を超えると穴を通じて燃料が外に溢れ出す構造です。


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バイクガレージDEMOTAの店主です。 バイクの話を中心に、たまにバイク以外の話も書いていきます。 すべての話に「おみや」をご用意しています。是非読んでください。
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