整備技術
劣化の原因はナニか、を良く捉えよう
オートバイの延命ポイント・その①
お客様からご質問(ブログネタ)を頂戴しました。
ありがとうございます^^
『オートバイは消耗品が数多くあり、走行距離や時間、消耗具合に応じて交換や作業が必要になると思います。(オイル、タイヤ、ブレーキパッド、バッテリー等々)
エンジンオイルのように距離や時間が経ったら予防的に交換が推奨されているものがある一方、あくまで距離や時間は目安で、違和感があったり点検で問題があれば交換と言われているものもあります。
絶版車を、長く安全に乗るには何が大切なのか…
調べれば調べるほど、油脂類やクーラント、消耗品等それぞれに色々な考えが出てきてどれが正しいのかもよくわからず…
予防交換するものとしないものの違いって何でしょう?』
はい。永遠の課題的な内容の質問がきてしまいました(笑)
まずWikipediaを引用させて頂きます。
≪物理的劣化≫
時間経過や繰り返し使用されることに伴う化学的・物理的変化により、品質や性能が損なわれることを指す。
■摩耗 ■腐食 ■錆 ■疲労 (材料) ■金属疲労 ■加水分解 ■染料や顔料の変色、退色
■ゴム製品は大気中において、光やオゾンによる酸化で弾性が失われ、亀裂や溶解が起きる。
これらの要因グループを抽出しますと、熱、太陽光、水、空気(酸素・オゾン)、摩擦が、悪さの首謀者かな?
つまり、
①常に太陽光に当てられ、水分が付着し、そこに熱と酸素が加わること
⇒サビ(酸化) ⇒油脂類、フレーム類
②常に一方向からの応力・圧力がかかること
⇒ゴム類(オイルシール)、ベアリング、電子部品
③太陽光と空気の成分そのものが材料を攻撃すること
⇒樹脂・ゴム類
大変おおざっぱですが、3つくらいに分類すると目安が付けやすくなるかと思いました。
まず油脂類。
流体性があるものは『酸化』がポイントかと。①に該当します。
つまり、真空で低温保管、日光に当たらず完全密閉で水分から遮断されている場合にはオイル・グリス類は基本的に劣化しない又は劣化進度は遅くなると解されます。
エンジンオイルは非常な高熱と燃焼時に発生する多量の水分、及び高い圧力に晒されますので、劣化がとても進行しやすいという理屈です。
一方でフォークオイル等は、それほどの高温や高い圧力には晒されず燃焼が伴わないので水分の混入もありません。エンジンオイルよりは長持ちするという寸法です。(それでも少しづつ劣化は進んでいますが)
ちなみにエンジン内部の金属(ギヤとか)だって高温高圧、水分にも晒されるでしょ?というご意見も当然あります。これはオイルが膜を作って金属を包んでいるため、金属自体は保護されていて無傷なワケです。
実際、何十年を経過したエンジンでも開けてみると、シリンダー壁や変速機ギヤはピカピカでサビ一つないことは良くあります。
次にゴム類。
主に②と③ですね。紫外線とオゾンにより成分劣化すると共に、長い時間動かさないことで、重力により車重が一カ所に掛かり続けることで『変形』してしまうという劣化もあります。タイヤが四角くなってしまっている長期保管を良く見かけます。
つまり、動かさないでいると、そこに水分や汚れも溜まり太陽光や空気からの攻撃を受けやすくなり、車重も一ヶ所に集中し変形、固着します。
更に電子部品。
②となります。物理的な応力は受けませんが電気的な圧力を受けています。『オームの法則』という法則では、抵抗=電圧/電流で表されております。回路を変えたり、規定と異なる電力負荷を与えたりすると電流量が不安定になり、抵抗として機能している電子部品に負荷が生じるということです。
これは、絶版車にとって致命的になるケースが良くあります。絶版車は、今の数多の外部電力機器を接続して使用される設定にはなっていなかったからです。
絶版車を守る方法です。
■保管には太陽光、雨風、高温高湿を避けること
■長期保管をする場合は定期的に動かし、位置を変える。タンク、キャブからガソリンは抜いてくだされ。バッテリーも外すこと。
■今風に改造をしない
■走行後の清掃をコマ目に実施すること。泥や水分をふき取ることが大切
■流体性のあるものは予防交換が原則。
冷却水は50%LLCを使うこと。フォークオイルであっても2年ごとの交換は推奨したいです。
■電子部品の劣化度合いは読めません。
ただし、能力が低下していきますので、完全に壊れる前に交換すること。特に廃番になりやすいので、予め中古部品のストックをしておくことをお奨めしています。
今回はここまでとして。。。
油脂の分類や用途については次回以降にご案内いたします^^
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