エンジン始動せず。。。びっくりな話
整備雑ネタ技術
スクーター修理での原因探索と仮説検証がまったく外れた話

エンジン始動せず。。。びっくりな話

原付スクーターの修理を依頼されました。
エンジンが急に始動しなくなったというものです。オーナー様曰く「最後に始動
したのは2週間前で、その時には異常なし」とのことでした。

こういったケースの場合、修理屋としては真っ先に疑うことは電気系統又は混合気の濃さです。
ちなみに、ヒューエルインジェクション車ではコンピュータが燃調をコントロールするので混合気の濃い薄いにブレが生じることは少ないのです。
ですから、インジェクターの詰まり自体を疑うワケです。
メーター周りにあるエンジン警告灯の点灯or点滅なし、つまり異常なし!少しゴソゴソやってインジェクターを取り出します。
メインキーを回してセルボタンを押します。キュルキュル回ります。つまりバッテリーもOK!
インジェクターは燃料を吹いてます。一見すると噴射量も問題ないように見えます。

ということは、点火系か?のプロセス。
プラグを外してみます。ちなみに、スクーターのプラグ交換って地味に大変なんです。っていうか簡単ではありません (;^_^A

ここで不具合発見⤴ スパークプラグのターミナル端子が碍子部の中で破断しており、すっぽりと抜けてしまいました。これか~と思って、違うプラグに付け替えてスパークの状態を確認します。セルボタンを押すと「バチバチッ」ととても元気な火花が飛んでいます。よしっ取付しよう、

そして、ワクテカしながらセルボタンを押します。
キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル

エンジン始動しません...

ということはエンジン本体に問題ありか?カーボン噛みだと高くつくな~お気の毒に、などと余計なことを考えつつ、キックレーバーをキック キック キック
ん?割と圧縮ちゃんとあるな。
でっ、そして、モヤモヤしながらセルボタンを押します。
キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル

やはりと言うか、当然エンジン始動しません...

仕方ないということで圧縮圧力計の登場です。すぐさま計測しました。
結果は1300KPa
充分すぎる良好な値です...

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
つまり、
■圧縮良好
■火花良好
■燃料噴射あり
という、エンジン始動の三大要素を満たしております。お客様に解り易く伝えるなら「基本的にはこれでエンジンが始動しないハズがないというレベル」です。

でも、現実には始動しません。掛かる兆候(初爆)すらありません
?????????

これは混合気が薄いのかもしれん、と考え以下の仮説を考えました
■インジェクターが詰まりかけているのかも
■燃料ポンプが弱って吐出量が少ない(燃圧が低い)のかも
■各センサーがおかしいのかも
■エアクリーナーが詰まって空気の吸引量が異常なのかも

ここが迷宮の入口でした。
・エアフィルターが酷く汚れていました。これを新品に交換しました。
 でもエンジンは始動しません...
・新品インジェクターに交換してみました。でもエンジンは始動しません...
・燃料ポンプの吐出量を計測してみました。10秒で90cc以上が合格。結果は150ccで満点での合格。
 でも掛かりません...
・エンジン警告灯は何一つとしてセンサー異常を感知していません。低温始動時の混合比をコントロールするIAC(アイドル・エア・コントロール)バルブを外して分解して清掃してもみました。
 でも掛かりません...
そもそもコンピュータが異常を検知していないので不調なハズはないのですが (◎_◎;)

つまり混合気は良好という結論になりました。
■良好な圧縮
■良好な火花
■良好な混合気
三大要素がすべてそろいました。これで理論的にエンジンが始動しないなんてことはない、とまで言える状況なのに結果は... ( ;∀;)

途方に暮れました。本当に。
最後に調べるとしたらマフラーです。ネットAIでは「マフラー詰まり」が原因と書かれていることも多い。ですが、そもそも最後の始動からたった2週間でマフラーが詰まるなんて普通は考えられません。

DE、排気口を覗いてみました。

詰まっていました...
正確にいうと、昆虫が寸分のスキマもなく土壁を作って穴を塞いでおりました。
見事な半球形で丸みがエンジン側に向いており、クランキングでのポンプ排気圧力くらいでは壊れないような頑丈な作りです。

じぇじぇじぇ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
昔に観た映画『ビバリーヒルズコップ』でエディマーフィーが自動車のマフラーにバナナを詰めて発進を妨害したシーンが走馬灯のように甦ったのでした。

ちーん

マフラーの栓をつついて破き、取り外してから高圧エアブローで通りを良くして。
そしてスクーターから『ん?何かあったの??』との声が聞えてきそうなくらいフツーに静かに、まるで何事もなかったごとくエンジンは始動したのでした。

スクーターには「悩みまくった5日間を返せ (# ゚Д゚)ゴラァ 」と返事しておきましたとさ。。。
チャンチャン♫

あーー良かったー 白🏳寸前でした (◎_◎;)

★トップ画像はイメージです。写真撮る前に栓をつついてしまっていましたので (;^_^A

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