エンジンの考察 マフラーと、キャブレターと、エアクリーナーと
雑ネタ技術
それぞれお互いの関係性とは?

エンジンの考察 マフラーと、キャブレターと、エアクリーナーと

当店では常々オートバイはノーマルがベストと申し上げております。
ノーマル至上主義というヤツでしょうか(笑)

今回は、キャブレターを中心に話の範囲を広げてみましょう、ということで (;^_^A
(墓穴を掘っているような気もしないでもありませんが...)
詳しく書くとエライことになってしまいますので、日ごろの疑問に何となく「なるほどね~」と感じて頂けるような内容にしたいと思います。

オートバイユーザーの方は
■キャブを変えたらマフラーも変えないと
■エアクリーナーを外したらキャブのセッティングを弄らないと
■マフラーを変えると低速トルクが薄くなるんだよね~
■エキパイの長さやインマニの長さで出力特性が変わるって言うんだよね、太さの話なら解るけど
■排ガスの抜けが良いと混合気が沢山入るんだよね
ということを良く話をしておられます。

いつもながら、
これって解るような解らないような、って感じでいる方が多いことでしょう。
この話の肝は“エアクリーナー→キャブレター→マフラーは一本の通路で繋がっている”ということです。
生ガスから排気ガスまで、ガスが沢山流れることが重要だよねとシンプルに思うワケです。それは間違っていないのですが、所詮エンジンの出力はシリンダー内での燃焼圧力の大小によるワケです。
要は、沢山の空気とガソリンをどれだけ多くシリンダーに押し込むか、に話は尽きるのです。その為に一つはガスの流れが速い方が良いという話なだけなのですね。
ガスの流速を左右する要素に“圧力”というものがあります。オートバイのエンジンで重要なのはマスナスの圧力つまり“負圧”となります。そもそも何に対して⊖なのでしょう?という疑問からスタートします。解答としては大気圧より低いと負圧、大気圧以上だと正圧となります。
それでは大気圧より低い圧力はドコでどうやって生じるのでしょう?と疑問が繋がってきます。
それは、
吸気側では『ピストンが下がって注射器のような作用をするとき』ですし、
排気側では『(混合気が燃焼して膨張するときのガス力)が(排気管の中でその排ガス後方の空気を引っ張り込む)とき』
に発生します。
DE、吸気側はピストンが発生する負圧ですからガスのスピードはあまり上がりません。一方で排気側で生じる燃焼圧力は一瞬で音速にも達するスピードになります。音速とはマッハ1のことで約1,224km/hとなる猛烈な高速です。
実はガスには質量つまり「重さ」があります。重さのあるものが動くとき慣性の法則が働きます。
これは動いているものはその運動を続けようとする力のことですし、止まっているいるものは止まり続けようとする力を指します。よってカギとなるのは排気側の負圧です。排気側の方がガスのスピードが速く慣性が強く働くからです。

ここで視点を変えますが、
4STエンジンではクランク2回転720°中に180°の排気工程があります。つまり排気行程で正圧が働くのは1/4、残りの3/4は正圧に引っ張られて生じる負圧となります。エキパイの中では正圧→負圧→→→正圧→負圧→→→正圧 の順で“波”となって進んでいきます。これにより排気慣性および排気脈動を発生させます。
そしてエキパイ・マフラーにはどこかで必ずパイプ径が細くなっている箇所があります。排ガスの圧力波はその狭窄部分で反射して折り返して戻ってくるのです。
戻ってきた負圧波が丁度エキゾーストバルブが開いたときにジャストミートしたとします。するとその負圧の力によってシリンダー内の排ガスが急激に吸い出される作用が生じます。
更にエンジンでは排気行程でのピストン下死点付近でオーバーラップと言って吸気バルブと排気バルブが同時に開いているタイミングがあります。
つまり、これは吸気管と排気管が繋がった瞬間です。
このタイミングで排気ガスが負圧波により引っ張り出されると、同時にインマニから混合気がピストン負圧以上の力で吸い込まれることとなります。
こうなるとより多くの混合気がシリンダーに充填されることになり燃焼膨張圧力が増大した結果、ライダーにはトルクアップと感じられるワケですね。

そうして吸気側にも強い負圧が働くとそこにも圧力波が生じることになります。クランク2回転720°中に180°の吸気工程があり、全行程の1/4に強い負圧が生じます。
エアクリーナからピストン負圧+排気の負圧によって混合気が勢い良く吸い込まれ続ける効果を吸気慣性と呼んでいます。この流れは吸気バルブが閉じたときに跳ね返されて、更にエアクリーナーでも反射して再度戻ってきます。その反射波が吸気バルブの開いているときにジャストミートすることでより多くの混合気がシリンダーに流れ込むという寸法です。

以上の吸気慣性と排気慣性・排気脈動を利用します。そうしてシリンダーへ充填される混合気の質量を上げていくことで高回転域でのパワーバンドや中低速トルク増大を導き出すのですね。

最後になりますが、
その各々の慣性効果や脈動は、インテーク・エキゾーストの各マニホールドの太さや長さに関係するワケです。高回転域では太くて短いマニホールドの方が良いですが、これを中低速域に持ち込むと慣性効果や脈動のタイミングがジャストミートしないどころか、反対にパワーダウンを引き起こしてしまいます。

ですから、インテーク・エキゾーストの各マニホールドの太さと長さはメーカーで緻密に研究され、どの回転域でも“そこそこ”良い性能を発揮できるように設定されています。
そのオートバイの乗り味をも決定づけております。
徒にエアクリーナーを外したり、研究不足やレース用のエキゾーストマニホールドやマフラー交換することでバランスを崩してしまうことから扱いずらいエンジンになってしまったりします。
中低速域では長くて細いマニホールドの方がシリンダーの充填効率が良くなるのです。

DE、エアクリーナー、インテークマニホールド、エキゾーストマニホールド、マフラー等々はすべてエンジン部品であるとの理解が妥当かと思っています。
これが当店がノーマル至上主義である所以でゴザイマス (◎_◎;)

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