整備技術
苦労して良かった話
キャブレターを降ろせた結果、イロイロ見えてきました
旧車のキャブレター不調は、燃料ラインだけでは原因が特定できないケースが多くあります。
今回は実際にキャブレターを取り外して分解した結果、見えてきた内部劣化についての記録。
旧車の整備は、「外してみないと分からない」ことが多すぎます (◎_◎;)
頑張って車体からキャブを降ろしましたよ。もちろん部品破損なしで。
後になって解るのですが、こーすりゃ上手くいくというマシンごとの設計ポイントがあるようです。考えてみれば当然のことに思えます。
何せオートバイは定期メンテナンス前提の機械製品ですから、後々の整備性を考慮しない設計なんて有り得ないと思いますね。特に昔の設計では...
(特に昔の設計では... ←これって結構皮肉っているワケでゴザイマス)
しかし、性能が高いほど分解は困難になる傾向があり、それに伴って隠れたところに「技(裏技と言っても良い)」があるワケです。
初めての人間がパッと見で気付ける術もないワケで、あれこれ試行錯誤してコジっているうちに部品を壊してしまうのが常というヤツです。
そういう時は、作業を止めてイメージトレーニングを実施することでしょう。
アタマの中で考えて考え抜くと言いますか、昼夜問わず考えていると、ある時「パカッ」と閃いたりします。これ通常で数日かかります。
メーカー系列の特約店いわゆるディーラーさんは定期的にメーカー設計者による講習会に参加でき、設計時に仕込まれた“技”の伝授をうけられるところに大きな強みがあります。
我々プライベーター(笑)も一度気付きを得れば経験則として半永久的に積み上げていけますが、多種多様な車種構成でかつメーカーごとの思想の違いがあって中々に共通項(共通して使えるカン&コツ)が見出せません。
ですから、一般店での修理入庫期間が少し長めなのはこうした「考える時間」が含まれているハズです。もちろん、その費やした“考える時間”を技術料(工賃)に反映する訳にはまいりませんが。。。
DE、今回は裏技を無事に発見しキャブレター自体を降ろせました。そして降ろして大正解でした。分解してみると...
■フロート室はサビの山
■フロート室ガスケットは一部が切れており、そこが燃料漏れの原因となっている
■フロートバルブは段付き摩耗があり密閉性が悪くなっていることは明白
■フロートのステー自体が歪んでいて正しい油面高を保持できていない可能性あり
■パイロットスクリューのOリングが潰れたままカチカチに硬化していて、数個は完全に破断している
みなさま、良く見てくださいませ。
これが年輪を重ねたキャブレターパーツの “普通” の状態《画像参照》なんです (◎_◎;)
こりゃ、この状態でガソリン混合気の濃淡を微調整するなんて中々に大変(不可能に近い)なのが解ります。
これをキャブレターを降ろさずに状態を把握するなんて到底できない話でございました (;^_^A
きちんと分解して調べることで過不足なく部品を発注することができます。
ただし、旧車では部品がもうないなんてことがありますから常にヒヤヒヤしていたりします。
ないものは修正して使ったりしたいところですが、消耗品だけはNGです。何せ人間のように擦り減った部分が再生するなんてコトないもので。。。
まあ、今回は経年劣化したキャブレターの内部を紹介するのが目的です。
良く覚えておいてくださいませ。
コンマ数ミリで全く症状が変わってしまうキャブにおいて“破断”しているとか、“段付き摩耗”しているとか“歪んでいる”というのは結構一発アウトなコトとご認識頂くことです。
それゆえ、車齢を重ねたオートバイは部品が枯渇する前が“勝負”です。
そして、キャブレターのオーバーホールは高額になりがちですが大切な考え方という風に薄っすらとでもご理解いただけると思います。この部品状態をご覧になれば...ですね (◎_◎;)
キャブレターは外から見える範囲だけでは判断できず、内部劣化が進んでいるケースが多いです。
旧車ほど早めの分解点検が重要になるというお話でした。

このOリングは直径5mmもありません。使用限度をとっくに過ぎています。

段付き摩耗してます

歪んでます...

穴が開いてます...
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