整備技術
摩擦があるとよいもの、悪いもの
オートバイの延命・その②
猛暑の日曜日に臨時休業を頂戴し、後輩学生50数名をもてなすBBQしていました。DE、その後遺症でノビておりまして今に至ります。。。
前回、オートバイの延命ポイントについての続きです。
今回は、摩擦の増加と低減がテーマです。
オートバイには摩擦がないとダメな部位、摩擦がない方が良い部位に大別されます。
■摩擦がないとダメなもの
もちろん、タイヤですね。それとブレーキ。あとシートやグリップもそう。
タイヤですけどね。空気圧が重要なのは知られていると思います。では、なぜに大切なのか。
タイヤの空気はタイヤの固さと弾力を決めます。タイヤの適正空気圧はその走行速度帯で実は異なります。どの速度域でも安定的に安全性をキープできるのがメーカー指定の空気圧ということです。
タイヤは摩擦が命ですから、摩擦による摩耗は避けられません。ここでのポイントは『いかにすべての面を均一に摩耗できるか』ということです。長持ちさせるには全面がまんべんなく削れていけば良いのかと。
低速域ではタイヤ空気圧は低い方がグリップは各段に増します。その良い例が『トライアル競技』ですね。トライアルマシンの空気圧は0.5kg/cm2ぐらいと超低いです。これで普通に公道を走ったらバーストします(その前にまともに走れません)。
タイヤが少し潰れることで接地面積が増してグリップが増すと考える方も少なくありませんが、タイヤが潰れる=変形=本来の設計とは違う応力が発生する=偏摩耗して短命で終わる、という結果になりがちです。また、タイヤはサイドウォールが弱点でして、変型が常態化するとヒビ割れ等がすぐに発生してしまうことも注意が必要ですね。
オートバイの場合、メーカー基準よりやや高め、二人乗り時の空気圧が良い気がします。タイヤはあまり変形しない方がグリップ力も高いし寿命も長いという意外な事実があります。そこで、間違っても空気入れ過ぎはダメです、特に前輪は。ブレーキングでグリップが抜けるリスク大です。
タイヤ空気圧が所定の半分くらい(1.0kg/cm2)になると、次の症状が現れてきます。
■コーナリング時に車体が旋回しない。車体が真っ直ぐ行ってしまう。
ハンドルがワダチにはまって固定されたような感覚に襲われる
■タイヤトレッドの右半分または左半分だけエグられたように極端に減る。
とくに重たい車両はこれが顕著に現れます。
ちなみに、DEさんは1,000cc、160ps超の愛車の後輪を20,000km迄もたせます^^
走行前に100%必ず空気圧チェックしておりまして。
と、ここまで書いて相当長文になってしまいました。
今日は一端ここで止めときます。次回は摩擦がない方が良いものということで、特に『グリス』のお話をさせて頂きたいと思います。
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