バッテリーって「電気のダム」だという話は本当だった!
整備技術
バッテリーとレギュレータの関係性

バッテリーって「電気のダム」だという話は本当だった!

バッテリーは電池のことで、「電池」って電気の池って書くでしょー

つまり電気を溜めておくプールみたいなもんだと考えておりました。
しかし、バッテリーにはそれ以外の役割があるとの話を聞いたり読んだりしたこともあります。
そうすると「それ以外」って何でしょう?ってフツーに考えますよね (◎_◎;)

整備士の学校ではこう教わるんです。
『バッテリーはエンジンを始動させる為にセルモーターを回す役割。エンジンが掛かってしまえばジェネレータがその発電によって車両の電源を賄うんです。』

それを聞いて、まあ、そーなのかなー的な感覚で捉えておりました。
でも、でもですね。
「キックスタート式のオートバイにもバッテリーは積んでいるやん。ちっこいけど。」という疑問も湧いてくるわけでゴザイマス。
そして、それらのオートバイにはバッテリーを外してもキックでエンジンを掛けてライトやウインカーも作動するものも確かにあるんです。
「セルがないのにバッテリーを積んでいて、そのバッテリーを外しても運転できる?どゆこと??」という迷路にワタシもはまり込むことになっておりました。

DE、そのリングワンダリング(1本のテープを半回転ひねったまま端と端をくっつけるとどうなるか知っています?余談です)に陥っている自分をさっさと棚に上げて、知らん顔で日常を過ごしておりました。
が、最近、バッテリーレスのオートバイを触る機会がありました。
その車両の特徴として、
■レギュレート・レクチファイヤに放熱板がない!
■ジェネレータ用のステータに巻かれているコイル(銅線)が極端に少ない!
ということを発見しました。

こりゃ、どーいったワケ?と一瞬考えましたがすぐに答えが解りました。

オートバイの電装品というものは概ね12Vで動くようにできているワケです。
つまり、12Vより電圧が高くても低くてもダメなワケです。
ピッタリ12V付近(11.5~13Vくらい)に保った電圧を供給しないといけません。
ですけど、「発電機」というものはローター回転の速さに応じて電圧が変化します。つまりローター軸が速く回転すると高電圧、遅いと低電圧しか発生できません。

だから、オートバイのジェネレータは一般的にどんなに低い回転でも最低13Vくらいを出せるように設計されています。そうなるとエンジンをガンガン回してジェネレータを高速回転させると13Vを遥かに超えた大きな電圧が生じます。
その大きな電圧をそのまま車体電装に供給しますと回路が焼けて壊れてしまいますね。そうしないように「レギュレーター」が大体14.5Vを超える電気エネルギーを“熱”に変換して捨ててしまうワケです。

ここで、ん?14.5V? 13Vではなくて?? と思った方は天才です(笑)
そうなんです。
バッテリーを充電するには12V(正確には12.6V)より大きな電圧を掛ける必要があるんです。そして、バッテリーから12Vの電気を安定的に電装システムに供給する。こういった設計なんです。
つまりバッテリーは「取水弁」が付いた「ダム」の役割を果たしているんですね。ただ溜め込むだけの「池」ではないんですねぇ。

バッテリーはレギュレーターの機能も受け持っており、どんなエンジン回転域でもシステムを壊さない安定した電気を供給する装置でもあるということです。
だからバッテリーレスがデフォルトの車両では良く使われる回転域で13Vが発生するようにステータのコイルが少ないのです。また、大きな電圧を下げる必要もないからレギュレーターに放熱板(ヒートシンク)がないのですね。
反対にアイドリング域では不安定気味になるから回転を高めに設定していたりしますし、何ならアイドリングが不要なレーサーに使われることになるのも頷けます。
しかしながら実車を見ながら考えるとこうも簡単に理解できるのかー、と一人でしみじみしていたDEさんでありました (;^_^A


ここからはお土産タイムでございます ('◇')ゞ
むかしのバッテリーには液体が眼に見える形で入っておりました。電解液と言います。化学反応により電気を起こすのでその電解液濃度が大切です。今のMFバッテリーにはシャバシャバの液体は使用されていませんが発電原理は一緒です。
硫酸が使われておりまして、その濃度が増すと起電力が大きくなります。それを比重というカタチで計測します。比重は充電すると高くなり、放電すると低くなります。また、温度が低いと比重も低くなります。寒いところでハイブリッド車の航続距離がガタッと下がるのはこの為でございます。
なので、オートバイを長く使わないときはできるだけ寒くて暗いところに置いておく。そうするとバッテリーの自己放電による消耗が抑えられるという理屈です。

DE、寒いところに安置しておくと、今度はバッテリーの起電力が落ちてエンジン始動が困難になることがあります (◎_◎;)
今のバッテリーは寒いところでも性能低下が少なくて済むような工夫がされています。その寒冷地性能を示すのに「CCA(コールド・クランキング・アンペア)」というものが使われています。
『-18℃において30秒目の電圧が7.2Vになる電流』のことで数値が大きいほどバッテリーに瞬発力があり始動性が高いことを意味しているんです。
例えば、CCAが100のバッテリーは、-18℃の環境で100Aの定電流放電を30秒間行っても7.2V以上のバッテリー電圧をギリギリ維持できるということになります。
CCAの目安として、9Aバッテリーなら最低でも90、14Aなら最低でも140が望ましい値と言われていたりします (;^_^A

こういった事情が総合的に検証されてバッテリーの大きさはメーカーで決められているようです。
ですからバッテリーを大きくしたり小さくしたりする改造は、レギュレーターに思いのほか大きな負荷を掛ける可能性もありますし、始動性にも影響がでます。

■バッテリーを大きくすれば性能が良くなる
■“軽量化”の為にバッテリーを小さくする

これはどっちもレギュレータをパンクさせる要因になるかもしれませんゾ (◎_◎;)
どうぞご安全に。

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