キャブ車とインジェクション車の乗り方の違い
雑ネタ
インジェクション⇒キャブへの乗り換えに備えて読む

キャブ車とインジェクション車の乗り方の違い

最近オートバイ免許を取得するために教習所に通っている方が、身の回りで増えてきている気がします。
前回は保険のお話をしましたが、そもそもオートバイは事故を起こさないことが大変タイヘン重要なことだと思います。DE、インジェクション車両を乗ってきた方が絶版車(キャブ車)に乗る時の注意とそのリクツを少々お話したいと思います。

インジェクション車は当然ながら電子制御の鎧で固められています。いろんなセンサーで情報を検知し、コンピュータが『今』に最適な答えを出してアクチュエータに実行させる流れとなっています。
とくに最近の高価でパワーがあるオートバイは“電スロ”が肝になります。すなわち電子制御式スロットルでのことですね。電制スロットルの特徴はアクセルからのワイヤーが直接エンジンに繋がっていないことです。
アクセルグリップがワイヤーでスロットルバルブに直結していると、グリップをひねった分だけスロットルが開きますし、アクセルグリップを戻せばその分だけ戻ります。
電制スロットル方式では、アクセルグリップはアクセルポジションセンサーに、スロットルバルブはサーボモーター&スロットルポジションセンサーにそれぞれ分かれて繋がっています。これは、『アクセルグリップの開度は、スロットルバルブ開度と比例しない』ということです。
例を挙げますと、
このタイミングとこのギヤポジションでアクセルを全開にしても『燃費が悪くなるだけで加速しない。ムダ!』とコンピュータが判断したらスロットルバルブをチョイ開けするだけという、シレッととぼけたリアクションをすることを指します。
しかし、これにより大型車は各段に乗りやすくなりました。アクセルを開けてはいけない場所ではライダーを無視して行動するからです。

そこで、インジェクション車で教習し、インジェクション車にしか乗ったことなく、初めて絶版系キャブ車に乗る方への拙いメッセージでございます。

オートバイが傾いているときにアクセルグリップを急激に捻ってはいけません。
それは、巨大トルクの抑制サービスを担うコンピュータがキャブ車には載っていないからです。運転ミスを補正してくれる教官が同乗していないようなもんですね。
特に大排気量車や単気筒車は低速回転域から図太いトルクを発生しますので、簡単にタイヤを滑らせます。電子制御は、オートバイの傾斜、タイヤのスリップ率、アクセルの開度、速度の状態を制御して『今はチカラを出しちゃダメ!!』ってフォローしてくれているんです。いきなりそのフォローが無くなったら...どうします?考えるだにコワいですねぇ~

ですから、スラローム(小回転)では車体がパイロンを回って直進するところでアクセルを開けましょう。大概の方はパイロンを回りながらアクセルを開けていると言われています。『回り切ってアクセルON、回転中はアクセOFF』アクセルを閉じるとオートバイはペタンと寝ます。アクセルを開けると車体は跳ね起きます。
そのアクセルオンの時期が早いと、オートバイが“傾いて”“回転中”という最も不安定な状態で巨大な駆動力を掛けることになります。転倒またはオーバーランという結果になるダイナミクスです。

次にキャプ車で大切なのは『ニーグリップ』でしよう。
当然ながら、ニーグリップはどのオートバイでも非常に大切です。
ですが、絶版車は
■タンク形状がニーグリップし易いようになっていない
■いきなりの駆動力変動による車体暴れが起きやすい傾向がある
ということです。

ニーグリップはホントにホント重要です。
DE、脚が太い人、脚の長さ等いろいろな違いが人にはあります。ニーグリップしようと意識していてもコーナリング中には股がガバガバになってしまうことは至極ゴモットモなことだと思います。
そもそも人間は脚をタンク方向に向けて水平にチカラを入れるには不向きな構造をしていると思われます。ではどうしますか?ニーグリップすると同時に両ステップに垂直にチカラを入れてください。お尻がシートから5mmくらい浮くまで。そうすると、不思議とオートバイが回転中でもガッチリタンクを挟み込むことができます。タンクから膝が離れることはありません。
これでスラロームをやってみてください。

ただし、脚の筋肉はバキバキに張りますが(-_-;) 筋肉痛必至...

(画像出典:山口泰幸著『実体験による大型2輪限定解除』監修・小林浩より)
自己紹介
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