整備技術
全合成油は100%化学合成油とは違うのか?
エンジンオイルは添加剤の集合体
エンジンオイルのお話をしたいと思います。
と、言いましてもオイルのグレードや粘度なとの説明はいろいろな方がされています。
ですから、今回は普段あまり世間で触れられていない内容について述べていきたいと思いマス。
本当は、最近のエンジンオイルに使われる「鉱物油」「全合成油」「100%化学合成油」の違いなんかについて述べてみようかな~とか考えていたのですが、これはもはや化学者の領域であることに気付いてしまいした。
なので、ネット記事等の内容を整頓して並べることしかできません。ただ、今回のテーマはエンジンオイルの構成についてではありますので少しだけ触れて参ります。
まず、全合成油と100%化学合成油はほぼ一緒という記事もあります。
(シンセティックと表記されている場合もあります。)
が、全合成油は「鉱物油」を超高度に精練したもので、100%化学合成油は鉱物油などの原油を使わない人工成分のベースオイルを使っているものだそうです。
両者の共通点は酸化がしずらく、高温での性能劣化が少ないということがあります。ですが、100%化学合成油は製造コストが半端なく高いということが難点です。そこでコストの安い鉱物油からメチャクチャ高精度に硫黄などの成分を除去して100%化学合成油に限りなく近い性能を引き出すべく造られたのが全合成油ということのようです。
レースとかの超過酷な環境下でなければ全合成油は比較的安価でスペシャルハイグレードな性能を実現できると覚えておくと良いのかもしれません。
昔のオートバイでは、エンジンオイルの交換を「半年または3000km走行ごと」がベストとされてきました。乗らなくてもオイルは酸化してダメになるという理屈です。それが、全合成油ができてからは乗らない間の酸化が余り進まないことが証明されて寿命が長くなりました。
ここでお伝えしたいのは、1年くらい平気で性能を保つオイルもザラにありますということです。
なお、走行すれば当然に劣化はしますので3000km毎の交換はベストだとは思います^^
今回の本題です。
エンジンオイル添加剤という市販品がたくさんあります。添加剤を好まない方もいらっしゃるかと思います。ところが、メーカー純正エンジンオイルであっても添加剤が複数混ぜられているワケです。
その説明記事をあまり見かけませんので今回チャレンジ!ということでゴザイマス。
まあ、これも化学者の領域ですので化学反応とか分子配列とかからのご説明はワタシにはできませぬ。
ワタシを含めた一般人の方が知っておくと飲み会のネタ話になるといった程度のレベル感で進めます。
エンジンオイルはベースオイル∔添加剤(8つに大別できます)から構成されております。
■油性向上剤
オイルのなじみを良くし強固な油膜を作ります。
■粘度指数向上剤
オイルは粘り気が命。油温の変化に対してオイル粘度を適正に保ちます
■摩耗防止剤、腐食防止剤
エンジン部品の摩耗や腐食の進行を抑制します
■流動点降下剤
熱いオイルが冷えたときの流動性を保ちます。
オイル成分の一つであるワックスが固まるのを抑えます。
■清浄分離材
エンジンが回るにつれて発生するカーボンやスラッジをオイルに取り込んでエンジン内部をキレイに保ちます。エンジンオイルが黒く変色するのはこの為です
■消泡剤
オイルに気泡が発生し、その気泡でポンプがオイルを吐出できなくなることを防止します
以上こんな感じです。
DE、市販の添加剤でもモノによっては非常に有効なものがあると考えています。
エンジン部品の潤滑を保つのがエンジンオイルですが、その中でも「極圧潤滑」が肝でゴザイマス。
エンジンはシリンダー内で燃焼が起きると、その瞬間に馬鹿デカい荷重が各部品に掛かります。荷重が大きすぎるとオイル粘膜が切れてしまうのです。そうなると金属同士が擦れあって摩耗や焼き付きが起こってしまいます。
極圧潤滑というのは、塩素やりん、硫黄などで金属表面に化学反応を起こさせて瞬時に被膜を再生させる作用のことを言います。
この極圧潤滑の性能を向上させる添加剤は絶版車には特に有効です。
でも、ん?塩素?となると思います。
塩素は金属を腐食させますからね。。。世の極圧添加剤の中には塩素系添加剤がありますので、ご使用の際には確認された方が良いかと思います。
店主は塩素系添加剤の使用は余りお奨めしませんので (;^_^A
ちなみに、
スーパーゾイルは「非塩素系」添加剤であります^^

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